立っていると腰痛

1. 筋肉への持続的な負荷

立ち姿勢では、身体を安定させるために腰部、腹部、大腿部、ふくらはぎなどの筋肉が持続的に働きます。このような筋肉への持続的な負荷が続くと、筋肉が収縮し次のような疲労が起こります:

  • 血流の減少: 筋肉が収縮し続けることで血管が圧迫され、血流が滞りやすくなり、酸素や栄養素が不足します。
  • 乳酸の蓄積: 酸素不足によりエネルギー代謝が非効率になり、乳酸などの疲労物質が蓄積します。

2.筋肉の疲労

  • 筋肉の収縮: 長時間の負荷により筋肉が硬直し、柔軟性が低下します。筋膜が過度に引っ張られたり、硬化したりします。これにより、腰部全体が緊張状態になり、痛みを引き起こします。

3. 姿勢、骨盤と腰部のアライメントの乱れ

  • 姿勢の崩れ: 疲労が進むと、重心が前後左右にずれ、腰部の筋肉や靭帯に余計な負荷がかかりやすくなります。(以下詳細)
  • 骨盤の前傾または後傾: 長時間立つ際に正しい姿勢を保てない場合、骨盤が前傾または後傾し、腰椎に不自然なカーブが生じます。
  • 骨盤の横の傾き、片脚重心の癖: 同時に骨盤が横に傾き、無意識に片方の脚に体重をかけ、骨盤や腰椎に左右差が生まれ、痛みを引き起こします。

4. 腰椎への過剰な負担

立ち姿勢では、重力の影響で体重が腰椎(特にL4-L5やL5-S1)に集中します。

①椎間板への圧力: 長時間立っていると、腰椎が軽度に前弯(前に湾曲)しているため、腰椎の椎間板が一定の圧力を受け続け、髄核は通常、後方(背中側)に押し出される傾向があります。

②後縦靭帯(こうじゅうじんたい)の圧迫: 髄核が後方に移動すると、この靭帯にストレスがかかり、不快感や痛みを引き起こす場合があります。

③神経根への刺激: 椎間板の後方には脊髄神経根が存在しており、髄核が突出すると神経を圧迫し、腰痛や坐骨神経痛を引き起こすことがあります。

④時間経過による椎間板の変性

長時間の立ち姿勢や繰り返し圧力がかかると、次のような椎間板の変性が進行します:

  • 髄核の水分が失われ、弾性が低下。
  • 繊維輪に小さな亀裂が入りやすくなり、髄核がさらに後方へ押し出されるリスクが増大(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の初期段階)

5. 足元からの影響

立ち姿勢をとる際の足元の条件も腰痛に影響します。

  • 硬い床: 床が硬い場合、脚や腰に伝わる衝撃が増え、疲労がたまりやすくなります。
  • 冷たい床:冷たい場合、脚や腰に伝わる衝撃が増え、疲労がたまりやすくなります。裸足には気をつけよう
  • サポートのない靴: クッション性やアーチサポートが不足している靴を履いていると、体重が均等に分散されず、腰への負担が増加します。インソールをお勧めします

6. 精神的ストレス

精神的なストレスも腰痛を悪化させる要因となります。

  • 交感神経の活性化: ストレスにより交感神経が過剰に働くと筋肉が緊張し、リラックスしにくくなります。
  • 疲労感の増幅: ストレスは身体の疲労感を主観的に増幅させ、腰痛を感じやすくします。

対策と予防法

姿勢改善

  • 骨盤をニュートラルポジションに保つ。(つま先ではなく踵へ重心を乗せる)

筋肉のケア

  • 姿勢の崩れを防ぐため、30分ごとに全身の伸びと、ふくらはぎや太ももの足をのばずストレッチを行う。
  • 腹部や腰部へホッカイロを貼る、腹巻きをするなど、温熱療法で血流を促進。
  • レッグウォーマー、パッチ、レギンスを履く

足元の環境改善

  • クッション性のあるインソールを使用する。
  • 硬い床の上ではマットを敷く。

適切な休息

  • 長時間立つ作業の場合、定期的に座る時間を作る。
  • 体重を均等に分散させる意識を持つ。

このような疲労の蓄積を理解し、適切に対処することで腰痛の予防につながります。必要であれば、りーる整骨院の専門的なケアも提案可能です!

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