腸腰筋の弱化と腰痛の関係
腸腰筋(ちょうようきん)は、主に以下の2つの筋肉から成る筋群です:
- 大腰筋:腰椎から大腿骨の小転子に付着。
- 腸骨筋:腸骨から同じく大腿骨の小転子に付着。
腸腰筋は、股関節を屈曲させる働きに加え、骨盤と腰椎を安定させる役割があります。この筋肉が弱化することで、長時間立ち姿勢や座り姿勢を続ける際に腰痛が引き起こされるメカニズムを解説します。
1. 腸腰筋の弱化による骨盤の傾き
- 腸腰筋は骨盤の前側に位置し、骨盤を適切な角度(ニュートラルポジション)に保つ重要な役割を持つ筋肉です。
- 腸腰筋が弱化すると、骨盤を前方に引き留める力が不足し、骨盤が後傾しやすくなります。
- 骨盤の後傾により、腰椎の自然な前弯(腰椎前弯)が減少し、椎間板に均等でない圧力がかかります。この状態は椎間板の髄核が後方に押し出される原因となり、腰痛を引き起こします。
2. 腰椎の不安定性
腸腰筋は腰椎を安定させる筋肉の1つです。腸腰筋が弱化すると次のような影響があります:
- 腰椎の過剰な動き(不安定性)が生じ、周囲の筋肉や靭帯に余計な負荷がかかります。以下詳細
- 足の前側に:大腿直筋の収縮:足が伸ばしにくくなり、膝や股関節にも影響します。 大腿筋膜張筋の収縮:足が開きにくくなり、膝や股関節にも影響します。
- 足の後側に:殿筋群の機能低下: ①中殿筋や大殿筋が機能低下を起こし、骨盤や腰椎のサポートが弱まりまり、②仙腸関節がロックを置きます
- お腹の前面へ:①腹直筋の収縮:上半身が前傾します。小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋も影響し、首の前へも影響し、自律神経のバランスも崩れます②腹斜筋の収縮:骨盤の回旋の可動性が落ちてきます
- 腰から背中へ: 腰方形筋や、広背筋の収縮します。同じに、脊柱起立筋や多裂筋なども収縮し、僧帽筋、肩甲挙筋などの肩こりや首の痛みへ
3. 重心の乱れと姿勢の崩れ
腸腰筋が弱化すると、股関節の屈曲力が低下し、体重の支え方に影響を与えます。
- 長時間立つと、重心が腰部や椎間板に過剰にかかり、筋肉や骨格に不自然な負担が集中します。
- また、無意識に膝をロックして立つ姿勢を取ることが多くなり、腰椎への圧力がさらに増加します。
4. 腸腰筋の血流不足と代謝低下
腸腰筋は、座りっぱなしや運動不足によって硬化しやすく、血流が悪くなりやすい筋肉です。
- 血流不足によって代謝が低下すると、筋肉が疲労しやすくなり、立ち姿勢を維持する際の持久力が低下します。
- 筋力が落ちた腸腰筋は、長時間立っていると適切に体重を支えることができず、腰痛が発生しやすくなります。
5. 長時間立ち姿勢と腸腰筋のアンバランス
- 長時間立っていると、腸腰筋が静的な負荷にさらされ続け、さらに機能が低下します。
- このアンバランスにより、骨盤や腰椎の動きが制限され、周囲の筋肉や靭帯にストレスが集中します。
腸腰筋の弱化による腰痛の予防・改善法
1. 腸腰筋のストレッチとエクササイズ
- ストレッチ: ランジ姿勢で腸腰筋をしっかり伸ばす。
- エクササイズ: ドローインや座りながら100°まで足を上げる体操で腸腰筋を強化。
2. 骨盤のニュートラルポジション維持
- 姿勢を意識し、腰椎の自然な前弯を保つ。
3. 立ち姿勢の改善
- 長時間立つ際は、体重を片足に偏らせず、左右均等にバランスを取る。
4. 適切な休息と動きの導入
- 30~60分に一度は軽く歩いたり、椅子に座って腸腰筋の負担を軽減する。
腸腰筋の弱化は、長時間立ち姿勢による腰痛の重要な要因です。Riru整骨院では、腸腰筋の状態を評価し、個別に最適なトレーニングや施術を提供できます!
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